本物

「そんなのはまやかしだ」「本当の〇〇ではない」のような文言をたまに見かける。特にここ数年は社会情勢の変化からかそのようなことを言うことも増えたのだろうか。

このような発言の裏には「本物」と「偽物」はデジタルな関係にあるという前提が存在する。しかし、実際のところそんなことは考えにくい。例えば「本当の愛」とは何かと考えた時に、そうでないものとの区別がはっきりつくようではそもそも疑問が生じない。また、愛ですらないものはスタートラインにたっていないように考えられるため、「偽物の愛」も愛ではあるということである。

日々の中で、「本物」「本当の」などという文言には注意が必要なのかもしれない。